令和7年度 上期 機械 問16

直流チョッパの力行と回生(オン時間から電機子電圧を出す)

機械B問題配点 10点
令和7年度 上期 機械 問16 の問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター 令和7年度 上期 第三種電気主任技術者試験 機械科目 問題(問題文・選択肢は改変せず、公開PDFの該当ページをそのまま掲載しています)

正解
(a)(2)
(b)(4)

正解の出典:同センターが公表している解答

解説

**まず周期を出す。** スイッチング周波数500 Hz なので

T = 1/500 = 0.002 s = **2 ms**

この2 msを基準に、(a)も(b)も通流率の計算になる。

**(a) 力行(電動機として駆動)**

Q₂をオフにしてQ₁だけをオンオフすると、回路は**降圧チョッパ**になる。Q₁がオンの間は電源電圧200Vが負荷側にかかり、オフの間は還流ダイオードを通って電流が流れる(そのとき電圧は0)。

よって V₁ の平均値は

V₁ = (ton / T) × E

150 = (ton / 2 ms) × 200 ton / 2 = 150/200 = 0.75 ton = **1.5 ms**

正解は(2)。

**(b) 回生(発電機として制動)**

Q₁をオフにしてQ₂をオンオフすると、電流の向きが逆になり、直流機側(低い電圧V)から電源側(高い電圧200V)へ電力を返す**昇圧チョッパ**として動く。

Q₂がオンの間、リアクトルにエネルギーが蓄えられ、オフになるとリアクトルの電圧が上乗せされて電源側へ押し返される。この関係は

E = V / (1 − d)  (d:Q₂の通流率)

つまり **V = E × (1 − d)**。

d = 0.4 ms / 2 ms = 0.2 なので

V = 200 × (1 − 0.2) = 200 × 0.8 = **160 V**

正解は(4)。

(b)で迷ったら、**電圧の大小関係で確かめる**とよい。回生では直流機側から電源側へ電気が流れるので、**昇圧している=直流機の電圧Vは電源200Vより低い**はずである。250Vや1 000Vを選ぶと、電圧の高いほうから低いほうへ返すことになって回生にならない。40Vでは低すぎて、通流率0.2と合わない。

同じ回路が、Q₁を使えば降圧チョッパ(力行)、Q₂を使えば昇圧チョッパ(回生)になる——この**双方向性**がこの問題の主題である。

選択肢ごとの理由

  • (1)(a)1.75msは通流率を0.875とした場合。150/200 = 0.75 なので 0.75×2ms = 1.5ms。(b)1 000Vは電源電圧を超えており回生にならない。
  • (2)(a)が正しい。ton = (150/200)×2ms = 1.5ms。
  • (3)(a)1.25msは通流率0.625の場合。(b)200Vは電源電圧と同じで、電位差がないため電流が流れない。
  • (4)(b)が正しい。昇圧チョッパの関係 E = V/(1−d) より V = 200×(1−0.2) = 160V。
  • (5)(a)0.7ms、(b)40Vとも通流率の扱いが誤り。周期は 1/500Hz = 2ms で、そこに通流率を掛ける。

この論点は、データセンターの現場でこう出てくる

「同じ回路で、電力を送ることも返すこともできる」という双方向性は、データセンターの設備で確実に使われている。 **① エレベータの回生** サーバ搬入用の大型エレベータは、下降時や減速時にモータが発電機になる。この電力を抵抗で熱にして捨てる(回生抵抗方式)か、系統へ返す(回生インバータ方式)かで、消費電力が変わる。熱にして捨てれば、その熱をまた冷やす必要が出る。 **② UPSの双方向コンバータ** 近年のUPSは、蓄電池を充電するときは整流器(交流→直流)、放電するときはインバータ(直流→交流)として、同じ回路を双方向に使う構成が主流である。この問題のQ₁・Q₂の切り替えと考え方は同じ。部品を兼用できるので小型・高効率になる。 **③ 蓄電池のピークシフト** UPSの蓄電池を非常用としてだけでなく、需要のピークを削る目的でも使う構成では、放電(回生に相当)と充電(力行に相当)を日常的に切り替える。契約電力を下げるための制御である。 実務で気をつけるのは、**回生電力の行き場**である。系統へ返す前提の機器を、非常用発電機で運転している最中に動かすと、発電機側は電力を受け取れない(発電機は逆向きの電力を吸えない)。系統電圧が上がってしまい、保護が動作する。 だから停電中のエレベータ運転には制限がかかる。非常用発電機に切り替わったときに「エレベータは最寄り階に停止させて休止」とするシーケンスは、安全のためだけでなく、この回生電力の問題も含んでいる。 通流率という1つのつまみで、送る量も返す量も決められる——それがチョッパ制御の強みであり、同時に「どちら向きに動いているか」を常に意識しなければならない理由でもある。

次の一歩

機械科目を、解説つきで10問つづけて解く

機械を10問解く

この論点が出てくる仕事(データセンター設備)を見る →

LINEで受け取る(無料・1タップ)

機械科目の伸ばし方を、あなたの取りこぼしに合わせて返します

解説を書いている人間がそのまま答えます。DC設備職 キャリアマップつき。求人を送りつけることはしません。

LINEで友だち追加

合格したあとの話

この資格で、どの現場に行けるのか

本サイトは有料職業紹介事業者(許可番号 13-ユ-316867)が運営しています。 ビルメンテナンスや工場設備からデータセンターに移った人が、どの資格の段でどう条件が変わっているのか。 5問の診断から、転職の相談まで無料で受けられます。