令和7年度 上期 機械 問14
論理回路のタイムチャート(X = A·C + B·C̄ を波形で読む)

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター 令和7年度 上期 第三種電気主任技術者試験 機械科目 問題(問題文・選択肢は改変せず、公開PDFの該当ページをそのまま掲載しています)
解説
**まず論理式に直す**。波形を先に見比べると時間がかかる。
回路図をたどると、
- 上のANDゲート:入力は **A** と **C**(Cから上へ分岐した線)→ 出力 A·C - 下のANDゲート:入力は **B** と **C̄**(CをNOTで反転したもの)→ 出力 B·C̄ - 2つをORでまとめる
**X = A·C + B·C̄**
ここで、この式が何をしているかを言葉にする。
- **C = 1 のとき**:A·1 + B·0 = **A**。つまり出力はAをそのまま写す - **C = 0 のとき**:A·0 + B·1 = **B**。つまり出力はBをそのまま写す
すなわちこの回路は、**Cによって A と B のどちらを通すかを選ぶ回路**(2入力のマルチプレクサ/データセレクタ)である。Cが選択信号になっている。
これが分かれば、波形の読み方は単純になる。
**Cが1の区間はAの波形をなぞり、Cが0の区間はBの波形をなぞる。**
タイムチャートのCは、最初の短い区間が0、次の長い区間が1、真ん中で0に戻り、また1、という形をしている。この区切りごとに、AとBのどちらを写しているかを確認していけばよい。
この読み方で選択肢を照合すると、条件に合うのは(3)である。正解は(3)。
波形問題を速く解くコツは、**全区間を照合しないこと**。Cが切り替わる境目の前後だけを見れば、多くの選択肢は落ちる。とくにCが0になっている区間でAをなぞっている波形、Cが1の区間でBをなぞっている波形は、そこだけで除外できる。
なお、この回路を論理式のまま覚える必要はない。**「NOTが付いている側の入力が0のときに効く」**という見方さえできれば、その場で組み立て直せる。
選択肢ごとの理由
- (1)Cが1の区間でAと一致しない箇所がある。C=1のとき出力はAをそのまま写す。
- (2)Cが0の区間でBと一致しない箇所がある。C=0のとき出力はBをそのまま写す。
- (3)正しい。X = A·C + B·C̄ なので、Cが1の区間はAの波形、Cが0の区間はBの波形をなぞる。
- (4)切り替わりの境目でCの区間と対応が取れていない。Cが変化する前後だけを見ると外れが分かる。
- (5)AとBを取り違えた側の波形になっている。NOTが付いているのはB側のANDに入るCのほう。
この論点は、データセンターの現場でこう出てくる
「条件によって2つの入力を切り替える」という論理は、データセンターの制御盤に無数に入っている。 いちばん分かりやすいのが**電源の切替**である。商用電源が正常なら商用を、異常なら非常用発電機を選ぶ——これはまさに X = A·C + B·C̄ の形をしている(Cが商用の健全信号)。実際の切替は自動切替盤(ATS)が行うが、その中の判断ロジックはこの構造である。 もうひとつが**インターロック**。ある条件が成立していなければ、別の操作を受け付けない、という安全の仕組みである。 - 冷却水ポンプが回っていなければ冷凍機を起動させない - 遮断器が開いていなければ断路器を操作させない - 消火設備が起動したら空調を止める これらはすべてANDとNOTの組み合わせで書ける。**インターロックは「動かすための条件」ではなく「動かさないための条件」**なので、NOTが多く出てくる。 実務で大事なのは、**この論理が意図どおりに組まれているかを、机上ではなく実際に確かめる**ことである。年次点検では、模擬信号を入れて「この条件のときに本当に止まるか」を1つずつ試す。図面上は正しくても、配線の間違いや、改修のときに追加した接点が悪さをしていることがある。 タイムチャートを読む練習は、そのまま**シーケンスの動作確認**の練習になっている。入力をこう変えたら出力はこうなるはず、という予測を先に立て、実機と突き合わせる。予測を立てずに試験をすると、おかしな動きをしていても気づけない。
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