令和6年度 下期 理論 問7
直並列回路の合成抵抗の値から、並列部分の未知抵抗を逆算する

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター 令和6年度 下期 第三種電気主任技術者試験 理論科目 問題(問題文・選択肢は改変せず、公開PDFの該当ページをそのまま掲載しています)
解説
合成抵抗の式を立てて、未知数 R_x について解くだけの問題。
端子 a から見ると、まず R が直列に1本あり、その先に R と R_x の並列部分がつながっている。並列部分の合成抵抗は R·R_x/(R + R_x)
したがって端子 a, b 間の合成抵抗は R_ab = R + R·R_x/(R + R_x)
これが 1.8R なので R + R·R_x/(R + R_x) = 1.8R R·R_x/(R + R_x) = 0.8R
両辺を R で割ると R_x/(R + R_x) = 0.8 R_x = 0.8R + 0.8R_x 0.2R_x = 0.8R R_x = 4R。正解は(4)。
検算すると、並列部分は R×4R/(R+4R) = 4R²/5R = 0.8R。直列の R を足して 1.8R になり、問題文と一致する。
見当の付け方も覚えておくとよい。直列の R を引いた残り 0.8R が並列部分の値で、並列の合成抵抗は必ず小さいほうの抵抗(ここでは R)より小さい。0.8R は R にかなり近いので、R_x は R よりずっと大きいはず、と予想できる。R_x = R なら並列部分は 0.5R で合成 1.5R になるので、(1)はすぐ消せる。
選択肢ごとの理由
- (1)R_x = R なら並列部分は R/2 で、合成抵抗は 1.5R になる。1.8R にはならない。
- (2)R_x = 2R なら並列部分は 2R²/3R ≈ 0.67R で、合成抵抗は約 1.67R。まだ足りない。
- (3)R_x = 3R なら並列部分は 3R²/4R = 0.75R で、合成抵抗は 1.75R。惜しいが 1.8R には届かない。
- (4)正しい。並列部分 = 4R²/(5R) = 0.8R、直列の R を足して 1.8R。
- (5)R_x = 5R なら並列部分は 5R²/6R ≈ 0.83R で、合成抵抗は約 1.83R。1.8R を少し超える。
この論点は、データセンターの現場でこう出てくる
「全体の値を測って、中の1本の値を逆算する」という考え方は、データセンターの接地の点検でそのまま使う。受変電設備やサーバ室の接地は、接地極を何本も並列につないで合成の接地抵抗を下げている。並列の本数を増やすほど下がるが、1本あたりの効き目はだんだん小さくなる。この問題で R_x を 2R→3R→4R と増やしても合成抵抗が 1.67R→1.75R→1.8R としか動かないのと同じ感覚で、並列部分は小さいほうの抵抗に支配される。 幹線ケーブルを複数条並列に敷設するときも同じで、どれか1条の端子が緩んで抵抗が上がると、電流は残りの条に偏って流れる。全体の電圧降下はあまり変わらないので計測値だけでは気づきにくく、偏った側のケーブルが発熱する。定期点検でサーモカメラを当てて、並列の各条の温度がそろっているかを見るのはこのためである。 合成抵抗の式を立てて逆算できれば、「全体の測定値がこれだけ変わったなら、どこか1か所がどの程度悪くなっているか」を当たりを付けて探せる。
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