令和7年度 下期 法規 問8

電気設備技術基準の感電・火災等の防止(架空電線・移動電線・燃料電池・非常用予備電源)

法規A問題配点 6点
令和7年度 下期 法規 問8 の問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター 令和7年度 下期 第三種電気主任技術者試験 法規科目 問題(問題文・選択肢は改変せず、公開PDFの該当ページをそのまま掲載しています)

解説

電技の複数の条文から、危険の種類と対象を埋める問題。それぞれ「何を防ぎたいのか」を考えると当たる。

**(ア) 感電** 架空電線に絶縁電線やケーブルを使う目的は、人が触れたときの**感電**の防止。架空電線は空中にあるので、火災の直接の原因にはなりにくい。

**(イ) 感電又は火災** 移動電線と機器の接続部で接続不良が起きると、接触抵抗が増えて発熱し**火災**につながる。同時に、外れかけた芯線に触れれば**感電**もする。したがって両方。

**(ウ) 一般用電気工作物** 運転状態を表示する装置が求められるのは、燃料電池発電設備が**一般用電気工作物**である場合。一般用は電気の専門家がいない一般家庭等に置かれるので、動いているかどうかが誰にでも分かる必要がある。自家用なら電気主任技術者が選任されており、運転状態は別の手段で把握できる。

**(エ) 需要場所以外の場所** 非常用予備電源は、**需要場所以外の場所**に施設する電路であって常用電源側のものと電気的に接続しないように施設する。これは逆送電(発電した電気が系統側へ流れ出すこと)を防ぐための規定で、電力会社の作業者が停電作業中に感電する事故を防ぐ趣旨。

以上より (ア)感電、(イ)感電又は火災、(ウ)一般用電気工作物、(エ)需要場所以外の場所。したがって正解は(1)。

選択肢ごとの理由

  • (1)正しい。感電/感電又は火災/一般用電気工作物/需要場所以外の場所。
  • (2)(ア)が感電又は火災、(ウ)が自家用電気工作物、(エ)が需要場所でいずれも誤り。
  • (3)(イ)が火災だけになっている。接続不良は感電の危険も伴う。(ウ)(エ)も誤り。
  • (4)(ア)(イ)(ウ)がいずれも誤り。架空電線で防ぎたいのは感電。
  • (5)(イ)の火災のみ、(エ)の需要場所が誤り。

この論点は、データセンターの現場でこう出てくる

(エ)の非常用予備電源の規定は、データセンターの非常用発電機にそのまま当てはまる、極めて実務的な条文。 DCは停電時に発電機で自立運転する。このとき、発電した電気が電力会社の系統側へ流れ出すと、停電した配電線が生きた状態になり、復旧作業をしている電力会社の作業者が感電する。これを防ぐため、系統と発電機の両方が同時に入らないよう**インターロック**を設ける。機械的に片方しか入らない構造にする、あるいは電気的に相互に鎖錠する方式が使われる。 年次点検で発電機を試験するときにも、この考え方が生きる。系統から切り離した状態で運転するのか、系統に並列して負荷を分担させるのか(並列運転)で、必要な手続きと保護装置が変わる。並列するなら電力会社との協議と系統連系の保護(逆電力継電器など)が要る。 もう一つ、DCの発電機は**法令上の位置づけが複数重なる**。電気事業法の自家用電気工作物であると同時に、消防法の非常電源(防災設備用)でもあり、建築基準法の予備電源でもある。それぞれに点検の頻度と記録の義務があるので、どの法令に基づく点検なのかを整理して年間計画に落とすのが電気主任技術者の仕事になる。

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