令和7年度 下期 法規 問4
接地工事の省略条件と接地抵抗値(不適切なものを選ぶ)

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター 令和7年度 下期 第三種電気主任技術者試験 法規科目 問題(問題文・選択肢は改変せず、公開PDFの該当ページをそのまま掲載しています)
解説
解釈第29条(機械器具の金属製外箱等の接地)から、条件を1つずつ照合する。
(4)が不適切。低圧用の機械器具に電気を供給する電路に漏電遮断器を施設したときに接地工事を省略できるのは、**水気のある場所以外の場所**に限られる(かつ定格感度電流15 mA以下、動作時間0.1秒以下の電流動作型であること)。水気のある場所では人体の抵抗が下がって感電の危険が跳ね上がるため、この省略は認められていない。
したがって正解は(4)。
ほかの記述: (1) 使用電圧200 Vの機械器具は300 V以下の低圧なので**D種接地工事**。接地抵抗値は100 Ω以下(漏電遮断器があれば500 Ω以下)なので、90 Ωは適切。 (2) 対地電圧150 V以下の機械器具を乾燥した場所に施設する場合は接地工事を省略できる。100 Vなので適切。 (3) 使用電圧440 Vは300 Vを超える低圧なので**C種接地工事**。原則10 Ω以下だが、動作時間0.5秒以内の漏電遮断器を施設すれば500 Ω以下でよい。0.1秒はこれを満たすので、300 Ωは適切。 (5) 使用電圧3 300 Vは高圧なので**A種接地工事**。接地線は直径2.6 mm以上の軟銅線と定められているので適切。
この手の問題は「電圧の区分 → 接地工事の種類 → 抵抗値と接地線の太さ」の順に機械的に当てはめると落とさない。A種=高圧・特別高圧(10 Ω以下、2.6 mm以上)、B種=変圧器の低圧側中性点、C種=300 V超の低圧(10 Ω以下)、D種=300 V以下の低圧(100 Ω以下)。C種・D種はいずれも漏電遮断器(0.5秒以内)があれば500 Ω以下まで緩和される。
選択肢ごとの理由
- (1)適切。200 Vは300 V以下の低圧なのでD種、100 Ω以下。90 Ωは条件を満たす。
- (2)適切。対地電圧150 V以下の機械器具を乾燥した場所に施設する場合は省略できる。
- (3)適切。440 VはC種だが、0.5秒以内に動作する漏電遮断器があるので500 Ω以下まで緩和される。
- (4)これが不適切。漏電遮断器による接地工事の省略は「水気のある場所以外」に限られる。水気のある場所では省略できない。
- (5)適切。3 300 Vは高圧なのでA種、接地線は直径2.6 mm以上の軟銅線。
この論点は、データセンターの現場でこう出てくる
「水気のある場所では省略を認めない」という考え方は、データセンターの中でも場所ごとに保安のレベルを変える発想につながる。 DCで水気を扱う場所は意外に多い。冷却塔の周り、加湿器の給水まわり、チラーの冷水配管ピット、そして最近増えている液冷サーバの配管まわり。サーバ室そのものは乾燥しているが、これらの設備室は条件が違う。同じ100 Vの機器でも、置く場所によって接地を省略できるかどうかが変わるので、図面上で「ここは水気のある場所」と区分しておくことが実務になる。 もう一つDCで重要なのが、**漏電遮断器を入れること自体のリスク**。感電防止には有効だが、サーバの電源はノイズ対策のコンデンサが入っていて微小な漏れ電流が常に流れている。ラックに多数のサーバを載せると、この漏れ電流が積み上がって漏電遮断器が誤動作し、ラック全体が落ちる——という事故が実際に起きる。だからIT負荷の回路では、漏電遮断器の感度電流を適切に選ぶ、回路を分割して1回路あたりの台数を抑える、といった設計が必要になる。 保安(感電防止)と可用性(止めない)は、DCではしばしば逆を向く。どちらも満たす設計を条文の範囲内で組み立てるのが、電気主任技術者の腕の見せどころになる。
LINEで受け取る(無料・1タップ)
法規科目の伸ばし方を、あなたの取りこぼしに合わせて返します
解説を書いている人間がそのまま答えます。DC設備職 キャリアマップつき。求人を送りつけることはしません。
合格したあとの話
この資格で、どの現場に行けるのか
本サイトは有料職業紹介事業者(許可番号 13-ユ-316867)が運営しています。 ビルメンテナンスや工場設備からデータセンターに移った人が、どの資格の段でどう条件が変わっているのか。 5問の診断から、転職の相談まで無料で受けられます。