令和7年度 上期 電力 問5

バイオマス発電(有機物・固形化燃料・カーボンニュートラル・小規模分散型)

電力A問題配点 5点
令和7年度 上期 電力 問5 の問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター 令和7年度 上期 第三種電気主任技術者試験 電力科目 問題(問題文・選択肢は改変せず、公開PDFの該当ページをそのまま掲載しています)

解説

語句の穴埋め。(イ)と(エ)で迷いやすい。

**(ア) 植物等の何から得られる燃料か** **有機**物。バイオマスは生物由来の資源を指す言葉で、炭素を骨格に持つ有機物が対象。無機物からは燃料にならない。

**(イ) 木くずから得られるもの** **固形化燃料**。木くずは木質ペレットや木質チップといった固形の燃料に加工して燃やす。 メタンも確かにバイオマス燃料だが、こちらは家畜のふん尿や生ごみを発酵させて得るバイオガスの主成分で、**木くずから直接得られるものではない**。問題文が「木くずから得られる(イ)や、さとうきびから得られるエタノール」と並べていることに注意したい。固形・液体・気体という3つの形のうち、木くず=固形、さとうきび=液体(エタノール)を挙げている構図である。

**(ウ) 吸収する量と発生量を同じとみなす対象** **二酸化炭素**。植物は成長するときに大気中のCO2を吸収しているので、燃やしてCO2を出しても、差し引きでは増えていないとみなす。これがカーボンニュートラルという考え方。窒素化合物は燃焼で生じる汚染物質ではあるが、植物が吸収して相殺するという関係にはない。

**(エ) 設備の一般的な規模** **小規模分散型**。燃料が木くずや廃棄物なので、遠くから運ぶと輸送コストとCO2で割に合わない。燃料が出る場所の近くに小さく建てるのが基本になる。

(ア)有機、(イ)固形化燃料、(ウ)二酸化炭素、(エ)小規模分散型。正解は(5)。

選択肢ごとの理由

  • (1)(ア)が無機。バイオマスは生物由来=有機物を指す。他の3つは合っているので、最初の1語だけの差。
  • (2)(ア)無機、(ウ)窒素化合物がいずれも誤り。カーボンニュートラルで相殺されるのはCO2。
  • (3)(イ)メタンは木くずから直接得るものではなく、ふん尿や生ごみの発酵で得るバイオガスの主成分。(ウ)も誤り。
  • (4)(イ)(エ)が誤り。木くずは固形化燃料にする。また燃料の輸送距離が制約になるため、設備は小規模分散型が一般的。
  • (5)正しい。有機物 → 木くずは固形化燃料 → CO2の吸収と排出を相殺 → 小規模分散型。

この論点は、データセンターの現場でこう出てくる

データセンターの電力調達では、バイオマス由来の電気は「使える再エネ」として扱える一方、量がまとまらないという弱点がある。 太陽光は昼しか出ず、風力は風任せだが、バイオマスは燃料を置いておけるので**出力を一定に保てる**。24時間ほぼ一定の負荷が続くデータセンターにとって、この性質は本来ありがたい。ところが1か所あたりの規模が数千kW〜数万kW程度にとどまるため、大規模なデータセンターの需要を1つの発電所でまかなうのは難しい。電力会社を通した非化石証書や、複数の小規模電源をまとめたコーポレートPPAという形で調達することが多いのはこのためである。 カーボンニュートラルの考え方そのものも、データセンターの環境報告に直結する。自社の排出をScope1・2・3に分けて数えるとき、購入した電気はScope2にあたり、その電源が何かで数字が変わる。「燃やしてもCO2は増えていないとみなす」という約束ごとの上に成り立っている数字なので、どの基準でカウントしているかを説明できるかが問われる。 運用面では、電気主任技術者がバイオマス発電所そのものを見ることもある。燃料が木質チップだと水分が多く発熱量が安定しないため、ボイラの燃焼制御は化石燃料より難しい。設備の規模は小さくても、運転の手間は単純に小さくはならない。

次の一歩

電力科目を、解説つきで10問つづけて解く

電力を10問解く

この論点が出てくる仕事(データセンター設備)を見る →

LINEで受け取る(無料・1タップ)

電力科目の伸ばし方を、あなたの取りこぼしに合わせて返します

解説を書いている人間がそのまま答えます。DC設備職 キャリアマップつき。求人を送りつけることはしません。

LINEで友だち追加

合格したあとの話

この資格で、どの現場に行けるのか

本サイトは有料職業紹介事業者(許可番号 13-ユ-316867)が運営しています。 ビルメンテナンスや工場設備からデータセンターに移った人が、どの資格の段でどう条件が変わっているのか。 5問の診断から、転職の相談まで無料で受けられます。