令和7年度 下期 理論 問5

直列と並列が混ざった回路で、どの抵抗がいちばん電力を消費するかを比べる

理論A問題配点 5
令和7年度 下期 理論 問5 の問題文

出典:一般財団法人 電気技術者試験センター 令和7年度 下期 第三種電気主任技術者試験 理論科目 問題(問題文・選択肢は改変せず、公開PDFの該当ページをそのまま掲載しています)

解説

電源電圧Vが与えられていないので、具体的な値ではなく比だけを出せばよい。回路全体に流れる電流をIとする。

R₂とR₃は並列で、合成すると (4×8)/(4+8) = 32/12 = 8/3 ≈ 2.67 Ω。R₁はこれと直列。

R₁には全電流Iがそのまま流れるので P₁ = I²×5 = 5I²。

並列部分にかかる電圧は V₂₃ = I×8/3。これがR₂にもR₃にも同じようにかかる。 P₂ = V₂₃²/4 = I²×(64/9)/4 = (16/9)I² ≈ 1.78I² P₃ = V₂₃²/8 = I²×(64/9)/8 = (8/9)I² ≈ 0.89I²

したがって P₁ > P₂ > P₃。正解は(1)。

覚え方は「直列は電流が同じだから、抵抗が大きいほど電力が大きい」「並列は電圧が同じだから、抵抗が小さいほど電力が大きい」。この問題はその2つを1問で聞いている。R₂とR₃は並列なので、抵抗の小さいR₂のほうが消費すると即答できる。

選択肢ごとの理由

  • (1)正しい。P₁ = 5I²、P₂ = (16/9)I²、P₃ = (8/9)I²。
  • (2)P₁ > P₃ > P₂ は、並列部分で「抵抗が大きいほうが電力が大きい」と逆に考えた場合。並列は電圧が共通なので P = V²/R となり、抵抗が小さいほど電力は大きい。
  • (3)P₂ > P₁ は、R₁に全電流が流れることを見落とした場合。R₁は直列なので必ず全電流を受ける。
  • (4)P₂ > P₃ > P₁ も同じくR₁の直列を見落としている。
  • (5)P₃ が最大になることはない。並列の中で最も抵抗が大きく、電力は最も小さい。

この論点は、データセンターの現場でこう出てくる

並列回路で「抵抗が小さいほうに電流が集まり、そこが発熱する」という性質は、データセンターの分電盤と端子を点検する理由そのもの。 大電流を流すために、幹線では同じサイズのケーブルを2本・3本と並列にすることがある。このとき1本の端子が緩んで接触抵抗が上がると、その線には電流が流れにくくなり、残りの線に電流が集中する。集中した側は電流の2乗で発熱するので、定格内のつもりでも被覆が劣化し、最後は焼損する。 だから電気主任技術者の点検で端子の増し締めをやり、サーモグラフィで盤の中の温度分布を撮る。「他より熱い1本」が見つかったら、そこだけ接触抵抗が変わっているというサインになる。DCは無停電が前提で盤を止めにくいぶん、通電したまま撮れる赤外線の点検が重要になる。 P = I²R と P = V²/R を、直列か並列かで使い分ける感覚は、こうした現場の判断に直結している。

合格したあとの話

この資格で、どの現場に行けるのか

本サイトは有料職業紹介事業者(許可番号 13-ユ-316867)が運営しています。 ビルメンテナンスや工場設備からデータセンターに移った人が、どの資格の段でどう条件が変わっているのか。 5問の診断から、転職の相談まで無料で受けられます。